| 現在、個人研究と漢籍データベース班「邦人序跋集成」の調査を兼ねて、週一回のペースで、成田山仏教図書館に和刻本仏典の版本調査に行っております。その他にも、必要に応じて、東京大学總合図書館・同東洋文化研究所・国会図書館・東洋文庫・駒沢大学図書館等に調査に行っております。 平成17年5月28日(土)、慶応義塾大学三田キャンパスで開催される第9回宋代文學研究談話會で口頭発表を致します。題目は「書籍の流伝―宋代書目の著録から和刻本の出版に至るまで―」、発表時刻は13:00〜13:40、発表要旨は以下の通りです。
【要旨】
中国において、書籍、特に宋代以前に撰述された書籍がいかにして後代へと伝わっていったかを考える際、宋代に編まれた書籍目録の持つ重要性は論を俟たない。この考えのもと、宋代に編まれた書目の成り立ちや、各書目の著録傾向、各書目間の関係等について、『新唐書』芸文志を中心に、これまで研究を重ねてきた。また、『新唐書』芸文志の研究に当たって、そのうちの釈氏類を検討の対象とした縁から、昨年十月からは、二松学舎大学COEプログラムの研究員として、和刻本仏典の版本調査を行っている。
そこで、今回の発表では、この二つの研究課題を絡めて、唐代に撰述された仏典が宋代以降どのように流伝して、日本に伝入し和刻本として広まっていったかを考察してみたい。今回は特に、唐の宗密という僧侶が編纂した『禅源諸詮集』という本を取り上げ、この書の成り立ちから、宋代、及び元代以降の書目における著録状況、和刻本仏典の流布状況などを時代を追って整理していき、それによって、宋代以前に撰述された書籍が、印刷文化の発達した宋代を介して、いかにして後代へと伝わっていったかを明らかにするための一つの例として提示できればと考えている。
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